ランドセルの思い出
今どきのランドセルはカラフルですね。
赤、黒、青、黄、緑、ピンク、キャメルなど
20種類以上もあるようです。
私の時代といえば、
男の子は黒、女の子は赤が定番。
でも、私は黄色でした。
ランドセルをプレゼントしてくれたのは
私を孫のように可愛がってくれていたので
同じ商店街の中里洋服店のおじさん。
同じ中里だけど、親戚ではありません。
商店街の名前が上中里だったので、
そこからつけたそうです。
当時、ランドセルを販売していたのは、
学校の制服や体育着などを
扱っていた洋服店だったんです。
仕入れ先から、
こんな珍しい色のランドセルが
あるよと見せられたのが
黄色のランドセル。
中里のおじさんは気に入って、
即決したそうです。
通っていた北区立滝野川第五小学校では、
たった、ひとり。
今から40年ほど前のこと。
けっこう目立っていました。
私は、この黄色のランドセルが大好きで
どんなに体が大きくなろうとも
小学校の卒業まで使っていました。
黄色のランドセルではないけど、
同じ学年で珍しいランドセルを持っていた女の子がいました。
そのこの名前は、「こばやしきよみ」ちゃん。
おとなしい、笑顔の素敵な女の子でした。
彼女のランドセルは、なんと黒。
しかも、新品ではなく、誰かのお下がりだったようです。
新1年生なら新しいランドセルをと思うところですが
彼女の家は、決してまずしいわけではなく、
ランドセルを買うこともできたはずなのに
お下がりの、しかも黒のランドセルでした。
きよみちゃんはそんなランドセルを
さりげなく背負い、パリのリセエンヌのようでした。
私は、そんなきよみちゃんのことを、
子供心に「かっこいいなぁ」と思っていました。
この春には、後ろにひっくりかえりそうなほど
大きなランドセルを背負った
新一年生の姿が目につくことでしょう。
でも、そのランドセルを恥ずかしがらずに
背負っていられるのはいつまでなのでしょうか。
そして、どんなランドセルの思い出をつくるのでしょうか。
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