ウチナーンチュの意識調査

中里智英子

2007年01月04日 12:46



1月3日からはじまった琉球新報朝刊の連載「素顔のウチナーンチュ」。
21世紀のウチナーンチュ像をさぐろうと
琉球新報社が独自に行った県民意識調査の結果を掲載しています。

いつもなら読み飛ばしているであろう記事なのだけど
新春で新聞をじっくり読む機会があったため目に止まりました。

ま、分っているような結果だろうなと思っていたのですが
「へぇー」と思わせる結果もありました。

まず、ウチナンチュであることへの誇りは
各世代とも8〜9割があると答えています。
これは納得。

言われなき差別を受けていた昔でさえ
アイデンティティを意識していた「ウチナーンチュ」。
今日の沖縄ブームをもってすれば「誇り」として表れるのは当たり前。
どんなに長く住もうが「ウチナーンチュ」とは言えず
「県民」と言っている私としては
嫉妬すら覚えるほど、うらやましいことです。

その一方で「へぇ〜」と思ったのは、
半数以上が「生活に満足」と回答していること。
景気回復が叫ばれていながらも、その実感がわかない私としては意外でした。

「時間にルーズ」「厳しさが足りない」という否定的な見方が
前回の調査より減ったのは
経済よりも「心の豊かさ」を求め
「なんくるないさ精神」を見直す人々が増えてきた表れなのかしら。

さらに意外だったのは
「誇りに思う」地域別の回答。
宮古の方が八重山よりも「誇り」に対して
強い意識があると思っていたのだけど回答は真逆。
琉大助教授の林泉忠さんは、
調査に偏りがあるのではと追跡調査の必要性を強調しています。

でも翌日の新聞に、この結果を納得させる解説が。
というのも宮古は合併により累積赤字55億円をかかえ
環境の変化への不安が表れているらしいのです。

その一方で八重山は、空前の移住ブームによりプチバブルと言われ、
元気があるように思われます。(これは私の勝手な見解です)

でもバブルは泡として消えるもの。
浮かれずに、これをチャンスとして後世に受け継ぐ財産を残してほしい。
そして、次回の意識調査でも元気あふれる回答を期待したいものです。

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